カラヤンより昔の師匠に忠実で佳し
- 2023/03/07
- 22:35
ベストオブクラシック 新日本フィルハーモニー交響楽団演奏会2022年2月19日 すみだトリフォニーホールで収録「交響曲第1番変ロ長調作品38「春」」シューマン:作曲「交響曲 ニ短調」フランク:作曲新日本フィルハーモニー交響楽団、(指揮)小泉和裕 ここしばらく更新をサボってしまったが、感想がなかったわけではない。直近のバルト三国シリーズはなかなか佳かった。 あの小さな国々がそれぞれに、N響並みのオーケストラを持っ...
公認心理師国試対策講座
- 2023/01/20
- 18:54
公認心理師国試対策講座を開講 (#公認心理師)過去5年の過去問の検討と4回の国試対策講座の実績を踏まえ、本年第6回国試を学部卒・院卒で受けられる方々に、実戦に役立てていただける講義と細やかな支援を提供いたします。https://ameblo.jp/cocoronorinsyou/entry-12784490545.html?fbclid=IwAR0e1GVplMyaX9Kk1JOLz8H50S7zp3oOR5GraZj-aM1zEOM1AcCrAJ7JNCs#公認心理師...
『露営の歌』は反戦/厭戦詩だった
- 2022/11/02
- 16:04
娘「古関裕而って作曲家、百年前に軍部に媚び売って大儲けしたんだってね」余「まあ、ものごとはよく裏表を考えねば成らんよ。」娘「でも〜60万枚売ったって。1枚で1円でも60万円、当時なら大金やろ!」余「ネット時代の民は、切れ端情報ですぐに白黒つけたがるのお。まずはじっくり歌を聴いてみるが佳し。」 昭和に産まれながら「戦争を知らない子供たち」の一人たる余なれど、近頃は戦さの話をばしばしば耳に止む。思えば...
聴いたことのないグリークに個性のきらめき
- 2022/10/27
- 18:30
NHKFMクラシック感想記: 2022年10月26日(水)ピアノ…オリ・ムストネン,指揮…ヘルベルト・ブロムシュテット,管弦楽…NHK交響楽団 ~サントリーホールから中継~グリーグ:作曲「ピアノ協奏曲 イ短調 作品16」(ピアノ)オリ・ムストネン、(指揮)ヘルベルト・ブロムシュテット、(管弦楽)NHK交響楽団「調子の良い鍛冶屋」ヘンデル:作曲(ピアノ)オリ・ムストネンとても感心した。こんなにテンポの遅いグリーグのコンチェルトを初...
「前衛音楽」を超えた現代音楽の見事な演奏
- 2022/10/16
- 21:31
NHKFMクラシック感想記: 2022/10/16「トマス・アデス作曲 / ピアノと管弦楽のための協奏曲」(管弦楽)パシフィックフィルハーモニア東京(指揮)飯森 範親(ピアノ)角野 隼斗これはよかった。20世紀後半生まれのイギリスの作曲家のピアノコンチェルト。彼の生まれた時代の「前衛音楽」はすっかり姿を消している。バルトークの影響がしっかり感じられ、彼があと2、30年、健康で生きていればこんな曲を書いたんじゃないかなぁと思...
なんとも植民地主義的な音楽
- 2022/10/14
- 22:10
NHKFMクラシック感想記: 2022/10/14幸田浩子ソプラノ・リサイタル~愛知県安城市公開収録なかなか 考えさせられる演奏会であった。日本人のソプラノでヨーロッパでオペラ歌手として活躍した人物。「夜の女王」も歌ったと言う。この人が日本の歌曲を歌った。「この道」から始まる北原白秋シリーズでは、日本語の表現がまるで出来ていない。日本歌曲を西欧オペラ風に唄えばこうだと言う、なんとも植民地主義的な音楽になっている。も...
お嬢様ピアニストの底力
- 2022/10/09
- 21:49
「ブラヴォーオーケストラ」で、広上淳一指揮のアンサンブル金沢、ベートーベンの交響曲3番。これはひどかったなぁ…室内オーケストラの良さが全然出ていない。この楽団、初期は素人集団かと思う演奏だったが、このごろよくなった印象があった。けれども今回は、指揮振りに細やかさが無い。室内楽でなく100人ぐらいの大オーケストラなら響くだろうの表現。(指揮者の不満の表われかな?)*素晴らしかったのが、その後の「リサイタル...
神の奇跡はこんな風に?
- 2022/10/05
- 21:17
2022/10/05: ラモーのオペラバレーいくつか。オペラバレーなんて聞いたことなかったけれども、なかなか面白い。ラモーと言う作曲家は、あまり聴いたことがなく、たまにチェンバロの曲をいくつか。なんとなくだらっとして退屈な印象だった。ラヴェルの「ラモーを讃えて」も何かダラダラしている。でも、今日聴いた音楽はキビキビして力強かった。むしろ十字軍的暴力の感じだね。絶対王政を築いたルイ14世の晩年から、引継いでひとと...
これが「現代音楽」か?!
- 2022/10/03
- 21:46
NHKFMクラシック感想記2022/10/03:古楽器の楽団「ポモドーロ」の演奏でバッハの協奏曲いくつかけっこう面白く聴けた。最初の合奏協奏曲はダイナミックで、強弱の対照が見事に力強い。古い時代の優雅な音楽との先入観を打ち破り、大胆にもキリスト教文明の暴力性を暴いている。小銃や、さらには大砲の響きが聞こえてくるではないか。以降の曲も、昔聞いたバッハ・バロックとは全く違った音楽になっていた。イムジチのようには絶対...
チェンバロそっくりさんより・・・
- 2022/09/30
- 13:24
NHKFMクラシック感想記2022/09/29:フランスの何とか言うピアニスト;ミラノでの演奏会クープランとバッハのクラヴサン(チェンバロ)曲を現代ピアノで弾く。巧みな指捌きでチェンバロそっくりに聞こえる。でもそれなら、ピアノで弾く意味が無い。どうせなら現代のピアノの性能を生かした表現が欲しい。現在のピアノでしかできないし弾き方をした上で、いかにもクープランやバッハに聞こえたら最高なんだろうけど。。。。いや、 ピア...
アンドロイドか?
- 2022/09/23
- 21:47
NHKFMクラシック感想記2022/09/23:札幌文化芸術劇場(2021年11月18日) 指揮:広上淳一、ヴァイオリン:外村理紗 外山雄三/ノールショピング交響楽団のためのプレリュード チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35 こういうプログラムだったと、ウェブから拾ってきた。外山雄三の曲、悪くないね。昨日の尾崎なんとかに比べると落ちるのは確かだけれど。外山の曲は、日本音楽の響きを上手にクラシックに丸め込んでいる...
尾崎宗吉の悲劇
- 2022/09/22
- 22:01
NHKFMクラシック感想記2022/09/22: 尾崎宗吉;戦禍に斃れた作曲家すばらしいけれど、いろいろ考えさせられる音楽であった。まず20歳の時に描いた弦楽四重奏: これが最高に素晴らしかった。20歳でこんなものが書けるとは!かつて青春時代少しだけ作曲をかじった人間からすると、敗北感を覚える。チャイコフスキー、ドヴォルザーク、ヤナーチェクといった後期ロマン派の流れを受けた民族主義音楽の調子で始まる。そのうちに筝曲が...
たおやかでしっかりしたベートーベンのV協奏曲
- 2022/09/21
- 22:06
NHKFMクラシック感想記2022/09/21: ヴァイオリン : ジェームズ・エーネスとファビオ・ルイージバイオリニストはイギリス人かと思ったがカナダだった。アメリカ文化圏と言ってよいのだろうけど、もうちょっと深みがある。ベートーベンのバイオリン協奏曲はとても素晴らしかった。オーケストラの主題提示は、優しくたおやかで丁寧だった。バイオリンが入ってきても同じ感じ・・・まったく違わない。完璧に息が合っている。その後の...
植民地主義のヴィオラ?
- 2022/09/20
- 22:24
NHKFMクラシック感想記2022/09/20: ティモシーなんとかのビオラビオラと言う楽器は、私は子供の頃から大好きであった。沈んだ渋い音色が好きで、キンキンするバイオリンとは対照的な、とても好ましい楽器であった。しかしなぜか、独奏楽器として上手に弾く人のいないのが、不思議だった。プリムローズが名人だと言われたけれど、聴いてみるとひどいもの。音程も不安定だし、音の輪郭が決まらず、基本中の基本ができていない。でも...
色と姿の見える「花火」
- 2022/09/18
- 21:38
NHKFMクラシック感想記2022/09/18: 情熱のモーメント小代杏奈とか言う若いピアニスト、これはなかなかよかった。まず取り上げるのはスクリアビンで、普通こんな事は無い。2曲目に弾いたソナタ第4番では、「神秘和音」が好きだそうだが、その音色がよく出ていたと思う。透明で弾けるような音が良かった。弾けると言えば、その後のドビッシーの「花火」ーーー これは多くの演奏で、ただガチャガチャしているだけの失敗作に聴こえて...